スウェーデン式サウンディング試験は、地盤の強さ(支持力度の強さ)を調べる簡易調査法の1つで、荷重による貫入と回転による貫入を併用した原位置試験であり、土の静的貫入抵抗を測定し、その硬軟または締まり具合を判定すると共に地層構成を把握することを目的としています。日本工業規格 JIS A1221「スウェーデン式サウンディング試験方法」として1976年に制定されました。
①専用ロッド(鉄の棒)の先端に円すい形をねじったようなスクリューポイントを取り付る。ポイント下端から50cmのところに載荷用クランプ下面を合わせクランプを固定し、底板を通し調査地点上に垂直に立てます。
➁このままロッドが地中に貫入するかどうかを確かめます。貫入する場合には、荷重に対する貫入量を記録し、貫入しない場合には荷重を載荷用クランプに順次載荷していきます。荷重段階は、
0.05kN
0.15kN
0.25kN
0.50kN
0.75kN
1.00kN
とし、これらの荷重だけによって貫入が進む場合には、荷重の大きさWswとスクリューポイント先端の地表面からの貫入深さDを記録し、そのときの貫入量を求めます。
③載荷荷重1.00kNで貫入しない場合は、ロッドにハンドルを取り付け、回転させ、次のロッド目盛線25cmまで貫入させるのに要する半回転数を記録します。荷重1.00kNで回転によって貫入が進む場合には、半回転数Naに対応する貫入後のスクリューポイント先端の地表面からの貫入深さを記録しその時の貫入量Lを計算します。貫入量Lに対応する半回転数値Naは、次式を用いて貫入量1m当たりの半回転数Nswに換算します。なおNsw値は最も近い整数に丸めます。(Nsw=100/L×Na)
④貫入速さが急激に増大したり減少する場合は、貫入の状況を記録します。またロッドが貫入する音や感触などの情報も記録します。これらのデータは土質の分類をする際の有力な手掛かりになります。試験結果は、荷重、半回転数、貫入量1m当たりの半回転数および試験状況に関する記録をします。
⑤測定終了後、載荷装置を外し引抜き装置によりロッドを引抜き、数を点検しスクリューポイントの異常の有無を調べます。ロッドを引抜いた後の3cmほどの測定孔を利用し、孔が土で目詰まりしていない限り、メジャーを用いて地下水位を計測し記録します。
(1)N値との関係
スウェーデン式サウンディング試験結果(WswとNsw)から、標準貫入試験で得られる「N値」に相当する「換算N値」を求めることができます。
(2)一軸圧縮強さとの関係
一軸圧縮強度(qu)は、側圧が無い状態で圧縮荷重(鉛直方向の荷重)を作用させたときの供試体の最大強度で地盤の強度を表す用語です。スウェーデン式サウンディング試験のWswとの関係は次の関係式が示されています。
qu=0.045Wsw+0.75Nsw (kN/m2)
(3)支持力との関係
2001年国土交通省告示第1113号第2(三)項にて、Nswから地盤の長期許容支持力(qa)を求める方法として次の関係式が示されています。
qa=30+0.6Nsw (kN/m2)
Nsw:基礎の底部から下方2m以内の距離にある地盤のNswの平均値
スウェーデン式サウンディング試験結果に基づき基礎形式の選定についての考察を行います。下記の図書や地盤データを参考に軟弱地盤の判断をし最適な基礎形式の選定を実施します。
1.「小規模建築物基礎設計指針」日本建築学会
2.「住宅地盤の調査・施工に関する技術基準書」(住宅地盤品質協会)
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